キリン一番搾り生ビールの歴史
麦芽にこだわった商品、酵母にこだわった商品、発酵技術にこだわった商品、1980年代のキリンビールは、そのほとんどの商品が当初の計画通りには売れませんでした。その窮地を打開するために麦の一番搾り麦汁を使ったコクのあるしっかりとした味わいのビールを開発したのです。
そして1990(平成2)年3月、会社の命運をかけたこの商品は、コンセプトをはっきりと伝えるために、「キリン一番搾り生ビール」というストレートなネーミングで発売されました。
1990年代半ばになり「一番搾り」の発売当時は珍しかった白地を基調とするラベルの商品が増えました。そこで、1996(平成8)年に従来の品質感は維持しながら「現代感・鮮度感・若々しさ」のあるラベルデザインに変更しました。そして1998(平成10)年には、「一番搾り」らしさを追求し、ラベルデザインを通じて「上質・ナチュラル・鮮度感」といったイメージを発信したのです。
そんな中、1994(平成6)年に登場した発泡酒が売り上げを伸ばしていました。2000年代に入ると、「平日は発泡酒、週末にはビール」というように、消費者がビールの価値、発泡酒の価値を認識し、飲み分けるようになってきました。そこで2004(平成16)年、お客様が期待するビールならではの価値を鮮明にすることを目指し「もっと上質で鮮度ある一番搾り」をコンセプトにリニューアルを行いました。ラベルには上下に金色の帯を施し、より上質感と新しさを感じられるデザインに変更。
そして2009(平成21)年、発売20年目を迎えるのを機に、「一番搾り」は米などの副原料の使用をやめ、麦芽100%のビールに生まれ変わりました。ラベルには「麦芽100%」の文字と一番搾り麦汁をアイコン化した「しずくマーク」が入り「正統感」「現代感」「ナチュラル感」をイメージしたデザインとなりました。
キリン一番搾り生ビールの秘密
上品なコク、のどごしが爽快で、後口がさっぱりしているビール。様々な試作品が作られた中で、このコンセプトに合致したものとして選び出されたのが、一番搾りの麦汁だけでつくるビールでした。
通常ビールは、麦汁ろ過の工程で自然に流れ出る一番搾りの麦汁と、その後湯で洗い出す二番搾りの麦汁をブレンドしてつくられます。ブレンドされる理由として一番搾りの麦汁はタンニン成分が少なく、ビールに上品でさっぱりした味わいを与えますが、全てを一番搾りの麦汁で作ってしまうとコストがかなり高くなるため二番絞り麦汁を混ぜてコストダウンを計ったのです。
ですが一番絞りの麦汁だけを使用する本製品の価格が高いと毎日飲んでいただける様な定番商品にはなりません。そんな中で社内議論を重ねた結果、当時の社長が最終的に下した決断は「お客様に良いものを安く提供するのが当社の責務」との思想から、通常価格で質の良いビールの提供を始めたのがキリン一番搾り生ビールの始まりでもありました。
キリン一番搾り生ビールの味
味の評価 | 評価レベル |
---|---|
苦味 | ★★★★☆ |
辛口度 | ★☆☆☆☆ |
酸味 | ★★☆☆☆ |
甘み | ★★☆☆☆ |
旨味 | ★★★★★ |
爽快感 | ★★☆☆☆ |
喉越し | ★★☆☆☆ |
炭酸 | ★★☆☆☆ |
キリン一番搾り生ビールの成分(100mlあたり)
成 分 | 数 値 |
---|---|
エネルギー | 40kcal |
たんぱく質 | 0.4g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 2.7g |
糖質 | 2.6g |
食物繊維 | 0〜0.2g |
食塩相当量 | 0g |
アルコール度数 | 5% |